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建設業許可

大臣許可と知事許可の違いとは|営業所の数で決まる建設業許可の区分

この記事の結論

  • 大臣許可か知事許可かは、営業所を置く都道府県の数で決まります。1つの県だけなら知事許可、2つ以上なら大臣許可です。
  • 知事許可でも、全国どこの現場の工事でも請け負えます。請け負える工事の規模も、大臣許可と知事許可で違いはありません。
  • 工事の規模に関係するのは、一般建設業許可と特定建設業許可の区分です。

2026年10月5日時点の法令・公表資料で確認

大臣許可と知事許可の違いは「営業所の所在地」

建設業許可を取得する際、「大臣許可と知事許可のどちらを取ればよいですか?」という相談は少なくありません。

まず押さえておきたいのは、この区分は営業所をどこに設けるかで決まるということです。

  • 知事許可:1つの都道府県内のみに営業所を設ける場合
  • 大臣許可:2つ以上の都道府県に営業所を設ける場合

ここでいう「営業所」は、単に事務所がある場所ではありません。

「営業所」とはどこを指すのか

建設業許可でいう営業所とは、常時、建設業の営業活動を行う拠点を指します。

たとえば、次のような業務を行う場所です。

  • 見積もり
  • 入札
  • 契約締結
  • 顧客対応
  • 営業活動

一方で、次のような場所は通常、営業所には該当しません。

  • 資材置き場
  • 倉庫
  • 現場事務所
  • 連絡所のみの拠点

営業所に該当するかどうかは、許可区分の判断に直結するため注意が必要です。

熊本県知事許可でも全国の工事を受注できる

よくある誤解として、「熊本県外の工事をしたいから大臣許可が必要」と考えているケースがあります。

しかし、工事を行う場所と営業所の所在地は別の話です。

知事許可であっても、営業所が熊本県内だけであれば、そのまま全国どこの現場でも工事を請け負うことができます。

たとえば、

  • 熊本県知事許可の会社が福岡県で工事を行う
  • 熊本県知事許可の会社が東京都の案件を受注する

このようなことも可能です。

工事場所だけを理由に、大臣許可へ変更する必要はありません。

請け負える工事の規模は同じ

大臣許可の方が「大きな工事を請けられる」と思われることがありますが、これは誤解です。

大臣許可と知事許可で、請け負える工事の規模や条件に違いはありません。

工事の規模に関係するのは、次の区分です。

  • 一般建設業許可
  • 特定建設業許可

  • 大臣許可・知事許可 → 営業所の場所で決まる
  • 一般・特定 → 請け負い方や下請発注額で決まる

この2つは別の分類です。

混同しやすいため、整理して考えることが大切です。

審査期間は大臣許可の方が長い

許可取得までの期間にも違いがあります。

大臣許可

申請から許可まで、おおむね120日程度かかるとされています。

知事許可

都道府県によって異なりますが、一般的には20日〜45日程度で審査が完了することが多いです。

大臣許可は審査期間が長いため、営業開始予定や入札参加の時期が決まっている場合は、早めの準備が必要です。

なお、審査中はまだ許可業者として扱われません。

大臣許可のメリット

営業所単位で契約しやすくなる

許可を受けた営業所ごとに契約締結権限を持たせることで、本店決裁を経ずに営業所長名義で契約できる場合があります。

地域ごとにスピーディーな営業活動を行いたい会社には利点があります。

公共工事で有利になる場合がある

営業所所在地によっては、市町村の入札参加資格審査で、

  • 市内業者
  • 準市内業者

として扱われる場合があります。

必ず優遇されるわけではありませんが、公共工事の受注戦略として営業所設置を検討する会社もあります。

大臣許可のデメリット

手数料や申請費用が高くなる

たとえば新規申請では、次のような違いがあります。

  • 知事許可の法定手数料:90,000円
  • 大臣許可の法定手数料:150,000円

行政書士への依頼費用も、一般的には大臣許可の方が高くなる傾向があります。

人員確保の負担が増える

営業所ごとに、次の人員が必要になります。

  • 常勤の専任技術者
  • 支店長または営業所長

特定建設業の場合、専任技術者には1級施工管理技士などの1級資格が必要です。

また、「常勤」と認められるには、

  • 会社の社会保険に加入していること
  • 営業所の近隣に居住していること

などが確認されます。

どちらを選ぶべきか

判断のポイントは、「営業所を複数の都道府県に置く予定があるか」です。

知事許可で足りるケース

  • 熊本県内にのみ営業所がある
  • 県外工事は行うが、営業拠点は増やさない

大臣許可を検討するケース

  • 福岡支店や東京営業所を設置する予定がある
  • 地域ごとに営業責任者を置いて契約したい
  • 公共工事の入札戦略として営業所を増やしたい

必要以上に大臣許可を選ぶと、費用や管理負担だけが増えることもあります。

営業所の実態にあわせて判断することが大切です。

建設業許可の取得可否や必要書類について確認したい場合は、まずはお気軽にご相談ください。

根拠・参考にした公的な情報

この記事を書いた人:有働 綾(行政書士)
2006年3月に山鹿市で行政書士うどう綜合事務所を開設。建設業許可・経審・入札参加資格を中心に担当しています。

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