大臣許可と知事許可の違い
大臣許可と知事許可の違いは「営業所」の数
知事許可 | 1つの都道府県にだけ営業所を設ける場合 |
大臣許可 | 複数の都道府県に営業所を設ける場合 |
※ 営業所の定義に注意
ここでいう営業所とは常時建設業の営業(見積もり・入札・契約締結など)を行う本店・支店・営業所を指します。 単なる資材置き場や連絡所、現場事務所などは、建設業の営業所にはあたりません。
大臣許可と知事許可で工事範囲に違いがあるか?
よく、熊本県以外で工事を行いたいから大臣許可がほしい、というご相談を受けますが、工事現場は営業所には関係ないため、熊本県知事許可でも全国の工事を行うことができます。
知事許可、大臣許可どちらも、全国どこの現場の工事でも受注できます。
審査期間の違い(大臣許可は申請後許可がおりるまで3か月~4か月かかる)
大臣許可は申請をしてから、その申請書の審査におよそ120日かかります。
知事許可の場合は20日~45日で完了する自治体が多いので、それと比べるとかなり時間がかかります。
審査期間中はもちろん許可業者という扱いは受けませんので注意が必要です。
許可取得のスケジュールは余裕をもって立てるようにしましょう。
大臣許可でも知事許可でも請け負える工事の規模や条件は同じ
大臣許可と知事許可について勘違いされやすい点ですが、どちらの許可を持っていても、請け負う事が出来る工事の規模や条件は同じです。
- 請け負える工事の規模や条件が違うのは「一般建設業許可」と「特定建設業許可」
建設業許可には請け負える工事の規模や条件によって「一般建設業許可」と「特定建設業許可」に分かれています。そのため、その[一般建設業許可、特定建設業許可]の区分と[大臣許可・知事許可]の区分を勘違いしている方がおられますが、大臣許可と知事許可の違いによって請け負える工事の条件が変わるわけではありません。
大臣許可のメリット・デメリット
メリット
本店名義で契約できるのはもちろんだが、許可をとった営業所長名義で契約を結ぶことができるため、本店の決済を経ずに営業所長の権限だけでスピーディーに契約を結びたい、という場合などに有利。そのほか、ある市町村に入札参加資格審査申請を提出する場合、その市町村に許可のある営業所がある場合に市内業者や準市内業者扱いしてもらえることがあるので、公共工事の受注に関して有利に働く場合もある。(必ずではない)
デメリット
費用 (特定建設業許可の場合)
県庁or国交省手数料: 知事許可 → 90,000円 大臣許可 → 150,000円
行政書士費用(税込): 知事許可 → 220,000円 大臣許可 → 308,000円
人材
営業所ごとに常勤の資格保持者(専任技術者)および支店長(または営業所長)を確保しなくてはならない。
- 資格保持者は特定建設業の場合は1級施工管理技士などの1級資格者であること
- 「常勤」とは会社の社会保険に加入していることが必要
- 営業所近隣に住所があること (例) 北海道の営業所ならば北海道の住所