営業所(従たる営業所)で許可をとる場合
主たる営業所と従たる営業所
営業所とは
本店、支店もしくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいいます。
この本支店で締結した契約に基づいた工事は、営業所のない他の都道府県でも行うことができます。
建設業法では、営業所には「主たる営業所」と「従たる営業所」があります。
主たる営業所
一般的には本社・本店がこれにあたり、各営業所の統括権限を有し、実務的にも請負契約の締結ができるような環境整備も必要となります。
従たる営業所
本社・本店以外の営業所で、実際に請負契約の締結ができるような環境整備が必要です。
営業所の要件
営業所は、次の要件を備えていることが必要です。
(イ) 本店(主たる営業所)の場合、経営業務の管理責任者、専任技術者が常勤する事務所であること。
(ロ) 本店以外の営業所(従たる営業所)の場合、建設業法施行令第3条に規定する使用人、専任技術者が常勤する事務所であること。
(ハ) 使用営業所の権原(自己所有の建物か、賃貸借契約等を結んでいること)を有していること。
(ニ) 事務所としての形態(固定電話、机、各種事務台帳等の保管スペース等)があること。
(ホ) 許可を受けた建設業者にあっては、本店、支店の営業所の公衆の見やすい場所に建設業法に基づく標識を掲げていること。
※単なる事務連絡所、請負契約を行わない事務所、総務や経理のみが入る事務所、資材置き場、現場事務所などは営業所とは認められません。
従たる営業所で許可が必要な場合とは
本社名義で契約を結ぶだけならば必ずしも営業所ごとの許可はいりません。
本社以外の地域で施工するの請負契約の工事も、本社名義で契約するのが通常のパターンです。
しかし、営業所名義(例えば営業所長名義)で工事請負契約を結びたい場合、営業所ごとに支店長・営業所長(令3条の使用人とよばれます)などと共に専任技術者を置き、許可を取得する必要があります。
例)A県に本店を置き、建設業許可を取得しているが、このたび、B県に営業所を設置し、B県の入札参加資格をB県の市内業者(または準市内業者)として登録したいという場合に、B県の営業所でも建設業許可を取り、A県の本社代表者からB県営業所長へ入札関連の権利義務を委任するという形をとって入札参加資格審査申請をB県へ提出する、という流れになります。(もちろん会社として経審を受審しておくことが必要)
従たる営業所の人的要件
令3条の使用人
必ずしも役員である必要はないが、本社代表者からの委任が必要。(工事の請負契約に関する権限を与えられていることを証明する書類が必要)
請負契約を締結する権限を与えられている人が「令3条の使用人」であり、一般的には支店長や支所長、営業所長などが該当します。
令3条の使用人は従たる営業所で毎日勤務し、その他欠格要件に該当しないなどの要件があります。
また、令3条の使用人は必ずしも、役員である必要はありません。支配人登記も必要ありません。
専任技術者
専任技術者は、営業所に1人以上の配置が必要であり、技術面の責任者として各営業所に常勤する必要があり、各営業所の専属になるため、1人の専任技術者が複数の営業所を兼任することはできません。
専任技術者は許可申請する建設業の工事について、常勤の実務経験が10年以上あること、または一定の国家資格を有するなどの条件があります。(特定建設業の場合は、
この専任技術者の資格や実務経験の状況によっては、本店の許可業種と全く同じ業種が取得できるとは限りません。
令3条の使用人と専任技術者の兼務
令3条使用人は専任技術者と同一人物が兼務することが可能です。ただし、令3条使用人および専任技術者はその営業所への常勤性が求められるため、兼任可能なのは、同一営業所内の専任技術者に限ります。