【2026年2月最新】建設業法改正と経審ルールの変更点

建設業界は今、担い手確保のための賃金引き上げと、災害対応力の評価強化という二つの大きなうねりの中にあります。特に2月17日に発表された新単価は、今後の受注単価や経営計画に直接影響する内容です。

1. 公共工事設計労務単価、14年連続の引き上げ

2月17日、国土交通省は令和8年(2026年)3月から適用される「公共工事設計労務単価」を発表しました。

  • 全国平均で4.5%の大幅上昇 全国・全職種の単純平均で前年度比4.5%の上昇となり、加重平均値は25,834円と、調査開始以来初めて2万5,000円の大台を突破しました。
  • 必要経費の見直し(41%から48%へ) 単価とは別に示される「建設労働者の雇用に伴う必要経費」の乗率が、従来の41%から**48%**へと大幅に見直されました。実態に即した経費を明示することで、下請業者への適切な経費行き渡りを促す狙いがあります。

参照元:国土交通省


2. 経営事項審査(経審)の改正:令和8年7月1日施行

2月6日に改正省令が正式に公布され、評価項目が確定しました。担い手確保への姿勢が評点に直結する仕組みとなります。

  • 建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度(新設:5点加点) 適正な労務費の確保やCCUS(建設キャリアアップシステム)の活用を自ら宣言し、ポータルサイトに掲載された企業が対象です。加点を受けるには、「宣言日が審査基準日以降」**である必要があるため、早期の登録が推奨されます。
  • 社会保険未加入項目の削除 許可要件で加入確認が徹底されたため、評価の重複を避けるべく削除されました。これにより、評点算出のバランスに変化が生じます。
  • 建設機械の評価拡大 災害時の応急復旧を重視し、評価対象に「不整地運搬車」と「アスファルトフィニッシャー」の2機種が追加されました。

参照元:国土交通省


3. 考察

今回の設計労務単価の4.5%引き上げは、人手不足への対応だけでなく、改正建設業法で定められた「標準労務費」の実効性を担保する強いメッセージと受け取れます。全国平均が2万5,000円を超え、さらに必要経費の乗率が48%へ引き上げられたことで、今後は民間工事においてもこの水準をベースとした適正な価格転嫁ができるかどうかが、各社の利益を左右する最大の焦点になると思われます。

また、7月の経審改正で導入される「自主宣言」は、加点幅こそ5点ですが、多くの企業が導入することで「対応していないことがリスク」になるフェーズに入ったと推測されます。宣言はポータルサイトに掲載された時点で効力を発揮するため、7月以降に決算を迎える企業は、2月中にも登録準備を開始するのが得策と考えられます。

経営状況分析の統計を見ても、業界全体で付加価値率が過去最高を更新するなど、生産性向上への投資が成果として表れ始めているようです。今後はデジタル申請(JCIP)の活用も含め、法改正に迅速に対応できる管理体制を整えることが、これからの受注競争における真の優位性に繋がるのではないでしょうか。

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行政書士 有働