共同企業体制度(JV)の分類について
共同企業体(ジョイント・ベンチャー、JV)とは、建設企業が単独で受注及び施工を行う通常の場合とは異なり、複数の建設企業が、一つの建設工事を受注、施工することを目的として形成する事業組織体のことを言います。
共同企業体の方式
特定建設工事共同企業体(特定JV)
特定の工事の施工を目的として工事毎に結成される。工事完成後又は工事を受注できなかった場合は解散する。
特定JVの対象となる工事は、大規模で技術的難度の高い工事としている。
経常建設共同企業体(経常JV)
中小・中堅建設業者が継続的な協議関係を確保することにより、その経営力・施工力を強化する目的で結成する。
発注機関の入札参加資格申請時に経常JVとして結成し、単体企業と同時に一定期間、有資格業者として登録される。
地域維持型建設共同企業体(地域維持型JV)
地域の維持管理に不可欠な事業につき、継続的な協業関係を確保することによりその実施体制の安定確保を図る目的で結成する共同企業体。
発注機関の入札参加資格申請時又は随時に地域維持型JVとして結成し、一定期間、有資格業者として登録される。
共同企業体の施工方法 甲型共同企業体(共同施工方式)
全構成員が各々あらかじめ定めた出資の割合に応じて、資金、人員、機械等を拠出して一体となって工事を施工する方式。
甲型共同企業体 配置技術者について
甲型JVで下請代金の総額が4,000万円(建築一式:6,000万円)未満の場合
①すべての構成員が主任技術者を配置
注)共同企業体運用準則では、JV工事の主任技術者は国家資格を有する者とすべき旨が示されています。
②発注者からの請け負った建設工事の請負代金の額が税込3,500万円(建築一式:7,000万円)以上の場合は、主任技術者の全員が、当該工事に専任。
甲型JVで下請代金の総額が4,000万円(建築一式:6,000万円)以上の場合
①構成員のうち1社(通常は代表者)が監理技術者を、他の構成員が主任技術者を配置。
注)共同企業体運用準則では、JV工事の主任技術者は国家資格を有する者とすべき旨が示されています。
②監理技術者及び主任技術者は当該工事に専任。
共同企業体の施工方法 乙型共同企業体(分担施工方式)
各構成員間で共同企業体の請け負った工事をあらかじめ工区に分割して、各構成員はそれぞれの分担した工事について責任を持って施工する方式。
乙型共同企業体 配置技術者について
乙型JVで分担工事に係る下請代金の総額が4,000万円(建築一式:6,000万円)未満の場合
①すべての構成員が主任技術者を配置
注)共同企業体運用準則では、JV工事の主任技術者は国家資格を有する者とすべき旨が示されています。
②分担工事に係る請負代金の額が3,500万円(建築一式:7,000万円)以上の場合は、設置された主任技術者は専任。
乙型JVで分担工事に係る下請代金の総額が4,000万円(建築一式:6,000万円)以上の場合
①代表者及び構成員であっても分担工事に係る下請代金が4,000万円(建築一式:6,000万円)以上となった者は監理技術者を、他の構成員は主任技術者を配置。
注)共同企業体運用準則では、JV工事の主任技術者は国家資格を有する者とすべき旨が示されています。
②分担工事に係る請負代金の額が3,500万円(建築一式:7,000万円)以上の場合は、設置された監理技術者等は専任。
共同企業体における代表者の選定方法とその出資比率
特定建設工事共同企業体
代表者は施工能力の大きいものがなり、その出資比率は構成員中、最大とされている。(共同企業体運用準則)
経常建設共同企業体
代表者及び出資比率は構成員が自主的に決定することになっている(共同企業体運用準則)